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既存住宅状況調査の一次インスペクションと 性能向上インスペクションの違い
お役立ち情報
2022.04.25
日本の既存住宅流通は年間17万戸程度に留まっており、全住宅流通に対して既存住宅が占める割合は14.7%と低く、欧米諸国と比較すると既存住宅流通は1/6以下になっている。
国土交通省は既存住宅流通を促進させるため、宅地建物取引業法を改正し、建物状況調査1次インスペクションの活用を促すと共に既存住宅売買瑕疵保険の加入を促進している。
建物状況調査1次インスペクションは、建築士で既存住宅状況調査技術者の資格を持った方がおこなうことになっているが、現在の状況を診断把握するものであり、人間で言えば健康診断のような位置付けになっており、建物状況調査1次インスペクションをおこなったから住宅性能が上がる訳ではない。
何らかの問題の可能性がある場合は詳細診断が必要である。性能向上インスペクションは、小屋裏、バルコニーや壁体内や床下などの劣化診断と雨漏り診断、構造架構や耐震診断、省エネ断熱診断など性能向上リフォームをおこなうための詳細調査になっており、時には破壊診断などおこなわれる。性能向上インスペクション実施後に性能向上リフォームをおこない、住宅性能を上げることができるのである。同じインスペクションではあるが位置付けが異なることを認識する必要がある。