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4号特例縮小の対策!設計図書を保存し備える必要性

お役立ち情報

2024.09.27

2022年6月に「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」が公布されました。2025年より建築確認・検査対象の見直しや4号特例の縮小が行われる予定です。

2025年4月から4号特例が変わり、対策済みの方やこれから対策する方等、様々かと思います。

●2025年、4号特例縮小とは?

具体的な法改正の内容については、下記2点にまとめられます。


1.「建築確認・検査」「審査省略制度」

※資料:国土交通省住宅局建築指導課・参事官(建築企画担当)付(総則班)

まず「建築確認・検査」「審査省略制度」の対象範囲が変わります。

改正前は木造2階建て・木造平屋建てといった建物は「4号建築物」に区分され、審査が省略されていました。これは建築確認の簡素化や合理化を図ることが目的で、「建築士が設計を行う場合」という条件の下に適用されています。

しかし改正後は4号が無くなり、「新2号建築物・新3号建築物」の2種類に区分されます。「新2号建築物」は木造2階建・木造平屋建て(延べ面積200㎡超)で、審査省略の対象外となります。「新3号建築物」には木造平屋建て(延べ面積200㎡以下)が該当し、こちらは審査省略が継続されます。


2.構造・省エネ図書の提出

※資料:国土交通省住宅局建築指導課・参事官(建築企画担当)付(総則班)

※資料:国土交通省住宅局建築指導課・参事官(建築企画担当)付(総則班)

今回の法改正では、「住宅を含む全ての建築物について省エネ基準に適合すること」も義務付けられます。

「新3号建築物」では従来の4号と同様に「確認申請書・図書」の提出が求められます。一方で「新2号建築物」は確認申請書・図書の他に「構造関係規定等の図書・省エネ関連の図書」も新たに提出が必要になります。


●なぜ4号特例を縮小するのか?

4号特例が縮小されるに至った経緯については下記の通りです。


1.省エネ基準の厳格化

「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」では、2050年カーボンニュートラルに向けた省エネ化が定められています。

住宅に関しては、全ての新築住宅で「省エネ基準適合」が義務付けられる予定で、省エネ化では断熱材・省エネ設備の搭載が必要になることから、建物の重量化が進んでいます。これにより壁量が不足するケースもあり、安全性が保てなくなっております。


2.倒壊リスクの回避

今まで4号特例があったことにより、2階建て以下の木造住宅では構造計算をしなくても問題ありませんでしたが、構造計算・壁量計算が十分でない可能性もあり、安全性が保たれないリスクがありました。

現行は4号特例の範囲内でしたので、構造図の提出は求められません。ただ、「構造図を提出しないで良い」は、「構造図を作らなくて良い」ということではありません。

4号特例で図書の提出は省略できますが、法律に従って設計図書を作るというのは大前提です。いわゆる仕様規定です。

従来までは建築士を信頼した制度となっていましたが、建物の品質が保てないという課題が背景にあり、そのため法改正により厳格化が行われることになっています。


●図書保存について

500㎡以下の建物であったとしても、法律を守って設計した図書を残さなければいけない「図書保存の義務」があります。最低限、壁量計算書と、それにまつわる金物の設置を示す一連の構造図については図書化して保存しておかなければなりません。

2025年以降に増築申請をした場合、既存の部分が適用しているかを審査するために、保存している図書の提出を求められる可能性が高いです。

これは当たり前のことなのですが、4号特例の範囲内の建物であっても図書(構造・省エネ関連の設計図書)を保存し、いつでも提出を求められても良いように準備しておく必要があります。

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